「もうやめにしよう」恵方巻廃棄問題に一石を投じる

 今年こそ,恵方巻の大量廃棄を減らそうと,農林水産省はスーパーやコンビニエンスストアなどが加盟する7つの業界団体に食品の廃棄を減らすように求める異例の文書を出しました。これに対し,兵庫県内のスーパーは「もうやめにしよう」と大量生産をやめる方針をチラシ広告し,消費者に理解を呼びかけ,廃棄量削減に貢献しました。前年の売上個数よりも多くの数を用意するのが当たり前のスーパー業界で,あえて余剰分を作らないという施策を取った店の大胆な決断は,食品ロスを少しでも減らそうとする企業努力の取組として一石を投じました。リスクを恐れず,正しいと思うことを貫き,実践し,社会へ提言したことが,多くの人の共感を得たのでしょう。(武田咲枝 2018)