「自利利他 公私一如(じりりた こうしいちにょ)」
愛媛県新居浜市では,市内全ての小中学校がユネスコスクールに認定され,学校での持続可能な社会に向けての教育がさかんに行われています。このまちは学校だけではなく,持続可能な社会の活動に地域も積極的に取り組んでいます。この理由の一つとして,かつて銅の採掘でまちに利益をもたらした世界的規模の企業の存在があります。その企業は,理念に「自利利他 公私一如(じりりた こうしいちにょ)」を掲げ地域や学校と連携した持続可能なまちづくりに一役買っています。「自利利他 公私一如」とは,自らの力で得た利益を,自分が受け取るとともに,他のためにも与えないと意味がないという仏教用語です。今では世界共通の理念として,多くの人に受け入れられる言葉ですが,100 年前の世の中でこの理念のもと,産業を支えた企業があることに驚かされます。(竹下浩子 2018)